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慢性硬膜下血腫

慢性硬膜下血腫

この疾患では、多くの場合は頭部打撲や転倒などの外傷の後、約3週間から2ヶ月の間にじわじわと頭のなかに血がたまってきて、頭痛、認知症のような症状、麻痺、失語、尿失禁などの症状が出てきます。頭の中には通常の血腫とは異なり、時間がたっても固まらない血腫がたまっています。この血腫はある程度の大きさになると自然に吸収される可能性は低く、治療せずに放置した場合には血腫の量が増加し、症状が徐々に進行してしまう可能性が高いです。すぐに進行する病気ではありませんが、最終的には脳が血腫と反対側に押しやられ脳ヘルニアを起こし生命にかかわることもあります。

血腫が少量であれば、保存的治療(内服薬)で経過をみると、自然と吸収されることもあります。血腫が多いと、手術が必要となります。

治療

手術は穿頭血腫ドレナージ術を行います。局所麻酔の後に(苦痛が強く動いて危険な場合には眠たくなる薬を使います)、穿頭部位を数cm切開し、頭蓋骨に15mmほどの穴を開けて、血腫を除去するための管をいれます。局所麻酔で30分~1時間くらいの手術です。翌日までゆっくりと血腫を排液し、排液量が目標に到達すれば管を抜きます。

また、慢性硬膜下血腫の場合は、再発する可能性が約10%あります。再発しやすい人はお酒をよく飲まれる方、ご高齢の方、脳の萎縮が強い方、血をさらさらにする薬を飲まれている方、透析をしている方などです。このような場合には再手術が必要となる場合があります。
中には、何度も再発し難治となることがあります。難治化した場合、当院ではカテーテル治療を併用します。慢性硬膜下血腫の栄養血管である中硬膜動脈を塞栓することで、再発しにくくしております。

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