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三叉神経痛

三叉神経痛

三叉神経は橋という脳幹から出る脳神経です。三叉神経は顔面の感覚と咀嚼運動を担当しています。この神経が橋を出たすぐのところで、動脈や静脈により圧迫を受けることが三叉神経痛の原因です。また脳腫瘍で生じることもあります。食事の際、洗顔時、冷気にあたったときなどに、短期間の激しい痛みが顔面に走ります。誤診で歯を抜くこともあります。命を落とす病気ではありませんが、痛みが強くなると日常性に大変な障害を起こします。

治療

治療には保存的治療、外科的治療、放射線治療があります。

保存的治療では、まず薬を内服して経過を見ます。またブロック注射をすることもあります。これらの治療により経過を観察できる場合もあります。
上記の保存的治療が無効の時、薬剤による合併症が出た場合には、手術をします。手術では、さまざまな合併症がありますので、十分に理解して下さい。著効例では術直後から痛みは消失します。
放射線治療にはガンマナイフがあります。三叉神経そのものに強い放射線を照射することで痛みが改善することがあります。高齢者など手術危険度が高い患者さんでは有効な治療法です。
病病連携として大阪市立総合医療センターや近隣のガンマナイフ施行可能施設にご紹介しています。

外科的治療では、微小血管減圧術をおこないます。
外側後頭下到達法で行います。側臥位に近い体位となり、後頭部から頚部の耳の後ろに約8cmの長さの皮膚切開を加え、筋肉をわけて後頭骨を出し、後頭骨を約4cmの幅で切除します。硬膜という硬い膜を切開し、小脳を圧排し、三叉神経を露出します。圧迫している動脈は移動させて、周囲硬膜に固定します。この時はフィブリン糊を用います。また、人工血管の素材であるテフロンやコラ-ゲンスポンジ、綿花により固定を補強します。静脈も太いものは移動させます。最後に三叉神経を見えるかぎりで観察し、癒着しているクモ膜を切開します。
最後に硬膜を密に閉鎖し、頭蓋骨を元に戻して創を閉鎖します。
術後の閉頭の際に髄液が漏れないよう、臀部脂肪を採取して補強します。

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