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眼瞼皮膚弛緩症について

眼瞼皮膚弛緩症について

眼瞼皮膚弛緩症について

眼瞼皮膚弛緩症について02

眼瞼皮膚弛緩症について02

眼瞼皮膚弛緩症とはどのような病気ですか?

よく知られている眼瞼下垂には「真の」眼瞼下垂と「偽りの」眼瞼下垂があります。

  • 「真の」眼瞼下垂:まぶたが下がって黒目にかかることで見えにくさが生じます。
  • 「偽りの」眼瞼下垂:余った皮膚がまぶたの縁を超えて庇(ひさし)のように垂れ下がることで生じる見えにくさ、まぶたの重さ等の訴えを主訴とする

眼瞼皮膚弛緩症とは「偽りの」眼瞼下垂のことですが、全て加齢性変化です。
したがって、高齢者では「真の」眼瞼下垂と「偽りの」眼瞼下垂が同時に発生することがあります。
眼瞼皮膚弛緩症{=「偽りの」眼瞼下垂}の治療に関しては、まぶたの皮膚切除あるいは眉下の皮膚切除を行います。

原因はありますか?

「加齢」や「紫外線」によるまぶたのたるみが生じている状態です。
皮膚のコラーゲンやエラスチンといった組織のサポートが減少するために生じます。
こちらは25年間長距離ドライバーをされていた患者様ですが、日光の当たる左側にしわやたるみが強く出ています。
紫外線も肌の老化には大きな影響を与えています。

どのような症状がありますか?

まぶたがたるむことによる目の開けにくさ、上方の視界の狭さといった症状があります。
まぶたを開けるためにおでこの筋肉を使うため、眼精疲労による頭痛や肩こり等を訴えます。
まぶたの重みにより目が開けにくいため、普段はテープ等でまぶたを持ち上げていますという患者さんもいらっしゃいます。

どのような治療になりますか?

基本的には外科的手術を行います。
まぶたの余った皮膚を切除します。皮膚を切除する部位はまぶたの皮膚あるいは眉毛の下の皮膚ですが症例に応じて見極めます。
術前に患者さん(付き添いの家族とも)と鏡を見て確認してもらいながら、大体のデザインを決めていきます。
生理的なまぶたのカーブの作成等,整容面に配慮した手術を心がけており、目に優しい手術を行っております。
手術時間は両目で30分〜1時間程度と短く、局所麻酔で行います。

よくある質問:

手術中の痛みはありますか?

最初に局所麻酔で痛みの除去を行います。
麻酔の針が入る時に重たい痛みがありますが、その後は痛みを感じません。
笑気麻酔という吸入麻酔を利用することもあります。
麻酔後は緊張が解けたのか、手術中に寝ておられる方はよくいらっしゃいます。

術後の腫れや内出血はどのくらいで治りますか?

術後2.3日目がピークとなり次第に腫れは引いていきます。だいたい2週間程度で気にならなくなることが多いです。
血液さらさらの薬(抗凝固薬)を内服しておられる方や、糖尿病・透析中の方はより長引くことがあります。

術後に生活や仕事の制限はありますか?

術当日と術翌日はお風呂は控えてください。体が温まって血流が良くなると内出血や腫れが悪くなることがあります。ただし、清潔にしてほしいのでシャワー等での洗顔はしてください。シャンプーも術翌日から可能です。
同じ理由でお酒や運動も術後数日は控えてください。
仕事自体も特に休む必要はありませんが、術後2週間くらいは腫れの影響で目が開けづらいため仕事に集中できないかもしれません。
また、接客業をされる方は抜糸をするまでは腫れが出ているため、縁の太いメガネやサングラス等でカモフラージュをした方が良いかもしれません。

術後の通院はどのようになりますか?

術翌日にガーゼを外して傷口が開いていないかを確認し、問題なければガーゼなしとなります。抜糸は術後7日前後で行います。以降は術後1ヶ月,3ヶ月のタイミングで診察に来ていただきます。術後の経過によっては前後することもあります。

どのくらいお金がかかりますか?

まぶたの皮膚切除あるいは眉下の皮膚切除を行う場合には、3割負担であれば、片目につき18,200円(1割負担であれば、6,070円) となります。
その他に、術前検査、術後の診察代、薬剤の費用が約2〜3万円程度が3割負担であれば、別途かかるイメージとなります。

美容の手術との違いは?

保険診療による眼瞼皮膚弛緩症手術は、二重の幅を作るためであったり、おでこの皺を改善するために行う手術ではなく、あくまで眼瞼皮膚弛緩症の治療、つまりはまぶたを開けやすくすることを目的に行うものとなります。
目の周囲は美容的に重要な部位であるため、整容面に配慮した手術を行っておりますが、健康保険で治療を行うため、美容外科は扱っておりません。

参考文献

    • Baldwin HC, Manners RM. Congenital blepharoptosis: a literature review of the histology of levator palpebrae superioris muscle. Ophthal Plast Reconstr Surg. 2002;18:301-7
    • Baroody M, Holds JB, Vick VL. Advances in the diagnosis and treatment of ptosis. Curr Opin Ophthalmol. 2005;16:351-5.
  • Baldwin HC, Manners RM. Congenital blepharoptosis: a literature review of the histology of levator palpebrae superioris muscle. Ophthal Plast Reconstr Surg. 2002;18:301-7.
  • 村上正洋:上眼瞼皮膚弛緩とは. 村上正洋・他(編):超アトラス眼瞼手術. 211, 全日本病院出版会,東京,2014
  • Bhupendra C. Patel; Raman Malhotra.Upper Eyelid Blepharoplasty. update 2025
  • Jennifer R.S. Gordon, M.D., and Joaquin C. Brieva, M.D.Unilateral Dermatoheliosis.N Engl J Med 2012;366

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