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愛と情熱の脳神経外科BLOG
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  1. 2018
2018.11.05

3回読むべき本

社会人になって、本を読まなく(または読めなく)なった方は多いでしょう。

僕もその一人で、学生の頃は(暇に任せて)毎日文庫本を1冊読んでいましたが、今は1冊に1週間かけることもあります。

「本を読まない人間は顔が崩れる」といいますが、もともと大した顔でもありませんので、これ以上崩して皆さんのご迷惑にならないよう、せいぜい本読みにも精を出すわけです。

その中で、久しぶりに「これは良い本だ!3回読みたい!」となった本がありましたのでご報告。
現代刀匠、松田次泰さんの「名刀に挑む」です。

最近知り合った若き刀匠の家に伺ったとき、その方の作品を見せていただいて、「これは僕の為に打たれた刀だ!是非譲ってほしい!」と強引にお願いし、譲っていただいたところです。

もともと家に数振り日本刀がありまして(もちろんきちんと登録しています)、これで合計5振りの刀を持つことになりましたが、よく聞かれるのが「日本刀なんて、持ってどうするの?」という事。

聞かれても、「綺麗だから」「ときどき眺めて楽しんでいます」としか言えなかったのですが、この本を読んでストンと胸に落ちました。

「家から古い刀が出てきたんだけど、どうしたらいいですか?」と聞かれて、若い頃の松田さんは、「そう美術的価値のあるものでもないようですので、お好きになさったら如何でしょう?」と答えていたそうです。
 しかし不思議なもので、刀を手放した後、「会社が傾いた」「健康を崩した」などという人が続出したとのこと。護ってくれていたのかもしれない、と考えた松田さんは、それ以後、「美術的価値はあまりないようですが、ご先祖から受け継いだ大切なものですから、大切に保管されてはどうでしょう」と答えるようになったとか。

元来、神社のご神体として刀が使われるのは日本だけだそうです(熱田神宮が有名ですね)。刀には「魔を払う」力がある。一種の宗教的な存在だと。
「誰もおみくじやお守りを、「それはただの紙や木ですから、ゴミ箱に捨てたらいいですよ」とは言いませんね」と松田さん。
いやー、感動しましたね。そうです。そうなんですよ。刀を分けていただくという事は、お守りをいただくようなものなんですよ。縁あって手に入ったものですから、使うために持つわけではないのです。これで刀を持つ言い訳ができました。

また、その美しさについても、木田元先生の「反哲学入門」を読むような、日本人なら生来持つ神道的価値観から平明に解き明かされ、「そうなの!そうなんですよ!」と膝を打つこと数回。

先日刀匠の明珍宗裕さんと少しお話をする機会があり、僕の考える「日本の美」について聴いていただいたのですが、やはり明珍さんも同じような考えを持っておられるようで、「ああなるほど、名のある芸術家というのは、やはり勉強しているし、深い思索も巡らせているのだなぁ…」と感動した次第です。

以上、全く病院とも医学とも関連のない話ではありますが、やはり医者も人間。
人間として完成されていくためにはやはり技術の話だけではいけません。教養を高め、思索を深め、哲学を持たねばなりません。そのために日々研鑽しておりますよ、というお話。

まぁ、好きなだけなんですけれども。

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