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2021.06.17

負うた子に教えられて浅瀬を渡る

 こんにちは。楠山です。今日は暑い日になりそうです。午前中から少し汗ばんでいました。6月でこの状態ですから今年も夏は酷暑となりそうですね。
 さて、こちらは新年度に入って2ヶ月経ち、研修医の先生も一つローテションが終わり、先日入れ替わりがありました。科を変わるだけで生活はガラッと変わります。環境の変化って自分が気付いていないだけで意外と緊張していることがあります。2ヶ月と言えば少し病院に慣れてきた頃かな、という時期です。私も研修医の先生の性格もわかってきた頃だけにちょっぴり寂しいですね。

 私が1年目の研修医の時は最初の6ヶ月がCCU(冠疾患集中治療室)・循環器内科病棟、次は3ヶ月呼吸器内科、その後の3ヶ月は腎臓・膠原病内科を回っていました。多分医局長(人事部長みたいな人)の親心で最初は一つのところで長く研修させる方針をとっていたのかもしれません。
 確かに6ヶ月間は結構長いですよ。元々第1内科は心臓・呼吸器・腎臓/膠原病が専門でしたが、先輩方も「楠山は心臓」って思っていて、呼吸器内科のスキー合宿には僕だけ呼ばれませんでした(どうせスキー嫌いやし!)。ま、その時寂しそうにしていたらCCUの先輩が忘年会に呼んでくれたんですけどね。

 でも6ヶ月も結構悪くないですよ。最初の1ヶ月は訳わからんし、2ヶ月目は慣れていないから叱られるし、採血失敗して患者さん怖いし、心電図は読めないし・・。夕食は当直する先輩がごちそうしてくれたんで労働力で払っていました。ただ、3ヶ月目になるとある日、カンファレンスで叱られなかった日が出てきたことに気付くんですよね。
 それぐらいになってくるといつの間にか病棟の一員になっています。病棟長は親父であり師長さんはお母さん?先輩はお兄さん、お姉(姐?) さんでしょうか。しょんぼりしていると優しい看護師さんも慰めてくれます・・結構、くっすん、くっすんって可愛がってもらいました。今は一つの所にいる期間が少し短くなってみんな大変ですね。
 早く新しい環境に慣れてほしいものです。

 さてその最初2ヶ月は循環器云々よりは医師としての仕事内容なんかを覚えてもらう事が大切と思っています。今日の主役はそんなこんなで一緒に働いていたH先生です。
 毎日、楠山の愛の鞭?に追い立てられていたH先生、心不全のある患者さんを一緒に診療していたのですが、「先生、〇〇(患者)さんの症状からみて、△△を調べて良いですか?」と聞いてきました。
 実は私はその徴候に気付いていませんでしたし、その病名が頭に浮かんでおらず、気になるから専門の先生に紹介して聞いてみようかな、とも思っていた所だったんですが、H先生の目がミョーに輝いていて、自信に満ちていたので「やってみようか」ってお話しするとシャカシャカと採血なんぞをオーダーしておりました。まだ2ヶ月ですから自信なさそうにしていて当たり前ですし、右往左往するのは極々普通のことです。

 多分、今回のことは自信有るんだろうな・・でもその病気、結構珍しい事のように思うんだけど・・自分で考えて検査を組み立てようとする自主性は嬉しいよね、と少し上から目線で高をくくっていたのです。すると専門の先生にも紹介していくつかの検査を追加してもらい、検討していくとなんとビンゴです!

 いつも循環器内科ばっかりに視野狭窄せずに広い視点で見ていないと足下掬われるよ、と話しております。こうなるとどうやっても言い訳にしか聞こえないのですが20年目の医者よりは国家試験で全科目勉強してきた1年目の先生に知識の幅広さでは負けちゃうってことです。

 診断がついたときの先生の嬉しそうな顔はとてもいい顔していました。以前もこのブログで書いたような気がするのですが、研修医始めた時って学生時代と全く世界が変わって自信を無くしてしまうことが多いんですよ。個々人で異なると思うのですが、一生懸命やっているとある時に小さいながらも自信になることが出てきます。
 そうすると「頑張っていたら良いことあるんだな」って思えて、その小さな出来事を支えに更に前向きに進んでいくことができるんですよ。

 その後のH先生、元々謙虚なタイプの先生ですが、その日から少し表情が和らいだような気がします。ちょっと学生から脱皮しようとしているのかもしれないですね。今では私と廊下で会うと気持ちよい挨拶をしてくれます。早く頼もしくなってほしいですね。

 道端に紫陽花が咲いていました。今年は梅雨ってあるのでしょうか?

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