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2019.08.15

色々な役割

 こんにちは。暑い日が続きます。クーラーをかけていてもジットリと汗が出てきますね。
皆さん、体調はいかがでしょうか?室内でも熱中症は成立しますよ!お気をつけ下さい。
 皆さん、夏休みは取られましたか?私は先日頂きました。お出かけするにも色々な交通手段がありますよね。徒歩・自転車・自動車・電車・新幹線・船・飛行機・・。今年は飛行機で移動することになりました。

 子供の頃、新幹線に乗るとき、皆さんは非日常を感じることはありませんでしたか?上手くは言えませんが、遠くに出かけていくときの旅情というか、非日常のドキドキ・ワクワク感というのでしょうか。
 年1回乗るか乗らないかですからとても楽しみにしておりました。だって、お弁当を買って入ることもありますし、ホームのアナウンスやそれぞれがそれぞれの目的地に向かって歩いている雑踏の感じも新幹線の駅は独特な雰囲気を感じます。
 今は、子供の時よりは頻回に新幹線を使う事がありますが、以前ほどではないにしても何となく嬉しい感じがします(病院から離れることができる、という部分も有るのかもしれないですね)。

 ただ新幹線に乗るとしても私達が見えないところでたくさんの人が色々な役割を上手く果たしているから時間通りに目的地に着くわけです。列車や線路も厳重に管理されているそうです。

 さて、では飛行機は・・・。となりますと。新幹線みたいに簡単には乗れないですよね。
だって、航空会社のチェックイン→荷物の預け入れ→保安検査→ゲートでの確認→離陸→着陸→手荷物を回収して到着です。
 乗客として乗っていると見ることができない部分が多くあります。私は管制塔の中はテレビでしか見たことはありませんし、預け入れの荷物が航空会社の受付のベルトコンベヤーに乗せられた後、どのようにして間違わないように飛行機に積み込まれるのかも全然分かりません (父は海外出張で荷物がどっか行った経験があるらしいですが・・)。

 新幹線と違って何となく気忙しい中での案内のアナウンス、こんな状況がひと味違った遠距離を行く旅情を作っているのかもしれませんね。

 新幹線と飛行機、どちらが良いとかではなく、飛行機の方がチェック項目が多いのでしょう。どちらにせよスタッフの方のプロ意識を感じますし、そのような真剣に仕事をする姿は凜々しく美しいですよね。
 
 以前、パイロットが書かれた本で読んだのですが、一つのフライトにはたくさんの種類のプロがいて、どんな仕事でも大切にしないといけない、と書かれていました。勿論、どの職場でも人間が存在する以上、色々な難しいこともあるでしょうが、プロ同士での結びつきで尊重し合えるというのは非常に幸せな環境であろうな、と思います。
 この話は非常に私にとっては大切なキーワードです。

 私自身は学生オーケストラで「どんな小さな役でも重要」は勉強させて貰ったように思います。華々しく見える楽器、例えば 1st violin (第1バイオリン) とかチェロとかフルート、クラリネット・ホルンなどに旋律が多い楽器に眼が行きますが (金管の美しいコラール、好きですよぉ~)、50分のシンフォニーで1回しか出番がないシンバル・チューバ(ドヴォルザーク 交響曲第9番 「新世界より」)もありますし、舞台裏で頑張っている照明・反響板・音響の方も舞台には必要不可欠です。

 もしそれで「あれは端役だからどうでもいいよね」なんて考え方が出てきたらヤバいです。
例えばチェロの首席奏者が「楽器係?どうでも良いやん」なんて言い出すとそのオケは絶対に上手くいくわけありません。ついつい自分のパートが可愛くなってしまいますが、視野を広く持ちたいものです。

 これはカテ室・病院内でも重要で、様々な価値観があるかと思いますが、自分の価値観を100%主張するのではなく、相手への「気遣い」が仕事を上手く遂行する為に必要な素質の一つではないかと思います。
 だってどれだけいい機械入れても機械を使うチームのヒューマンリソースがダメだったらダメですもん。それでダメだったらAIの登場で我々は失業です!

 我々医療業界も事故が起こる職場です。学生時代に医療安全の授業で印象に残ったのは「医療事故は航空事故と同じような仕組みで起こり、安全性を高める努力の方法も同じである」でしょうか。

 詳細は割愛しますが、「人間である以上、事故は起こる物」なんですね。アメリカでは警察ではなく、国家運輸安全委員会が動くんですよ。ほらニュースでも飛行機を調べている集団がいますよね。アレです。刑事罰を与えよう!ではなく、再発を防ごう!が目的です。

 実は医師も診察・手技だけをやっていたら良いのではありません。私の研修医時代のオーベン(指導医) は当直室でよく「楠山君、今、看護師さんが何やってるか知ってますか?」と聞いてきたものです。結局、医師はチームリーダーであるから他の職種がやっていることは知っておきなさいよ、と教えてくれていたのだと思います。

 実際、研修医時代に採血・点滴・尿道バルン挿入やスピッツ (血を入れるヤツ) の作成、検査結果・レントゲンの整理(電子カルテでこの仕事は消滅しました)、検査検体の運搬などをしておりました。今の研修では実はなかなかできない、させられないんですよね。

でもそのおかげで他職種の仕事内容がある程度分かるので、指示を出すときに「不可能ではないギリギリのライン」の指示を狙うことができます。
 「医師だからそんな事はしなくて良い」とか独りよがりな指示・無理な指示を出す医師は余り評価されないんですよ。
医師の仕事は「指示して医療チームの能力を最大限引き出すこと」。実は私は研修医の指示の内容を見て、研修医の先生の評価をしています(あ、言っちゃった!)。手技なんてやっていればできるようになる物ですが、指示を出すことは最初に良いクセをつけてあげないといけません。

 そうそう。研修1年目の時、掃除のおばさんに助けられたことがあります。ある日、仲良くなった掃除のおばさんが「先生?」と近づいてきて、「○○さんっておやつダメだよね?先生言ってたでしょ?掃除していたら○○さんのゴミ箱からポテトチップの空き袋が出てきたんだけど・・・」って教えてくれたんです。

 これ、医師ではなかなか見つけることができません。でもそのおばさんのおかげで翌朝「ポテトチップ、美味しかったですか?」と満面の笑みで回診して自白を引き出したこともあります。

 どんな職種でもそこからしか見えない風景って有るんです。今、研修している先生方には研修中だからこそ、他職種の仕事がどのようにして行われているのか、どこが苦労するのかを実体験して将来に役立てて欲しいな、と思います。年を重ねるとホントの臨床現場から距離ができていくのでね。

 あー、部屋の中で熱中症になってしまいそうです。みなさんもお気をつけ下さい。シャワー浴びたのにもう汗まみれです・・・。姫路城も暑そうです。
今回は長文多謝。最後までお付き合い頂いた方、ありがとうございます。

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