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2020.02.29

ヴィンテージ、ワイン?人間?

 こんにちは。楠山です。今、午前11時半です。昼は少し春を思わせる日差しですね。もうすぐ3月ですね。このブログを書いている日は私の誕生日の翌日です。母からは私が生まれた日は良い天気であったと聞いています。今日みたいな日であったのでしょうか。
 先日病棟で話していたらある看護師Aさんに「誕生日は産んでくれた両親に感謝する日ですよ」と言われました。正にその通り。この年になって分かってきました。とても素敵な言葉です。両親に感謝ですね。お父さん、お母さん、ありがとう。

 先日のブログの最後は、相変わらずの友人との飲み会で終わっておりましたね。私はお世話になる店はあまり変えません。新しい店を開拓するのは、新しい出会いもあり楽しいことなのでしょうが、いつもの服、いつもの毛布って気持ちよくないですか?あの安心感は非常に私にとっては心地よいのです。ですので、ついつい梅田でのいつもの店、Vin 樹亭に潜り込んでしまいます。

 馴染みの店になって良いことと言えば結構有りますよ。
 急に電話しても最大限の努力で入れてくださる、細かい注文をしなくても美味しい物が出てくる、落ち着く席を用意して下さる、お店の方とお話ししても緊張しなくても大丈夫(結構気を遣うのです)、コースは基本「おかわり!」は無いですが、「おかわり」を許してくださる(以前寿司屋でやって嗤われましたがダメでしょうか?美味しさの表現ですが・・そこで上手く返してほしかった)、メニューにない隠しメニューが出てくる etc.etc.
 勿論、ちょっとした「わがまま」は良くても無茶はいけません。この辺はお店の方とお客の人間性・ウデ・阿吽の呼吸ですよね。

 ツカザキ病院でも「お得意様」になって頂くと、手術のおまけが・・・なんて事に・・。病院はお得意様はやめておいた方が良さそうですね。

 いつもの如く同期Aと学会後に飲んでおりました。宴もたけなわになったとき、シェフのKさんが近づいてきてご飯物は注文していなかったのですが、「楠山さん、今日はいきなりだからカレー用意できなかったんでドンブリでも良いですか?」と来ました。写真でも感じるようにとても雰囲気の良い店です。そこで、「ドンブリ」なんてなんとミスマッチ。私の感覚が変なのでしょうか?でもミスマッチってなんかワクワクする感じしません?ま、お好み焼きとワインの段階でミスマッチですので、ここまでくればとことんですよね。仕事と一緒です。

 そのミスマッチって結局は既成概念では合わないって思っていたのに、工夫してやってみたら実は合っちゃった!ってことですよね。ミスマッチは独創的ってことになると思います。
 ミスマッチと取り合わせ悪い、の境界線ってどこなんでしょうね。やってみたけどダメだった、が「取り合わせ悪い」か・・。失敗は成功の元ですから仕方が無いですね。

 閑話休題、「ご飯をベチャッとさせずにフワトロの卵をかけるのが難しいんですよ!」と正に丼物の極意を言われながらいただいたのが、このドンブリ。しっかりしたベーコンと卵・・・。定義上は他人丼(ブタとニワトリ)でしょうか。手の込んだお料理も良いですが、シンプルなのは良いですよね。

 ホントに美味しい物って食べると言葉って要らないですよね。笑顔になっちゃうだけです。ほんと言葉って無力です。
 シェフKさんは非常に凝り性の方です。お話を伺っているとカレーの場合はスパイスなどから1週間ぐらいかけて作られるそうです。Vin 樹亭のまかない、興味出てきますよね。

 さて、二宮さんはいつも素敵なワインを出してくださるのですが、写真のようなワインを出してくださいました。ワインの詳しいことは分かりませんし蘊蓄もないですが、綺麗なビンで目を惹かれました。よく見てみるとヴィンテージは1996年。今から24年前です。よく考えてみたらこのワイン、24年前の物がタイムスリップして、漸く舞台の上に立ったわけです。私が20歳の時に生まれたワインです。ある塾の事務員として精を出し、学生オケで医学部チェロ科として精進に励んでいた頃でしょうか。

 ヴィンテージってできた年のことを言うんですよ。別に美味しい年のワインのことを言っているわけじゃ無いのです。私の医師としてのヴィンテージは2000年です。誕生日も近かったので、ふと思うわけです。
 ワインは瓶に詰められて熟成して味が変わると言います、どうやらその間に熟成してくるようで医者(人間)としても同じかな、と思います。

 ワインは温度管理されたセラーの中でゆっくり休み、時を超えてその時を待ちます。その間は世間からも忘れられているのかもしれませんが、人と出会って抜栓される日をひたすら待ちます。一方、人間は色々な事を経験し、その時に色々な事を思い感じて人間は変わっていく様に思います。

 私の大部分は変わっていないのですが、数年前の私と今の私を比較しても少し考え方は変わったな、とも思えますし、哀しいかな、体格も変わってきました・・(>_<)。
 日常生活の中で自分を変えるチャンスって沢山有ると思うんです。私の場合であれば仕事上で患者さん・御家族・同僚・業者の方、色々な方とお目にかかります。医療従事者同士で経験を共有するのも盛り上がって良いですが、医療従事者以外の方とお話しすると色々な世界を見ることができて好きです。

 医学って今の報道を見ていただいていても分かるように社会の中で無くてはならない分野の一つですし、個人にとって困ったことがなければ気付かれない分野でもあります。更に医療従事者って結構、自宅と職場の往復ぐらいしかできないこともあり閉鎖的になりやすい分野です。

 閉鎖的になりやすい業界の人間だからこそ外の世界に興味を持つ必要が大きいのだと思います。だって、病状説明の時に医学書だけ振り回して社会状況や倫理的な問題を加味せずに目の色変えて説明する医者はイヤじゃないですか?
 教科書的に間違いでも社会的に正しいこともありますよね。

 二宮さんのお話ではこの写真のワインの作り手さん、かなりユニークで気むずかしい方とのこと。仕入れの方が不適切な単語を言っただけで「お前の所には出荷しない!!」と言う方のようです。
 それぐらい偏屈(失礼)でこだわりが強い方だからこそ、良い作品ができるのだと思います。音楽をやっていたからでしょうか。私は医学も芸術と近いと思っています。概ね芸術家も手術のお上手な方もきちんとしたポリシーをお持ちです。

 ある漫画の科白で「元首のように情報を処理し、やり口はテロリスト」という内容の部分がありました。そういうミスマッチはある種のアブナさがあり大歓迎ですよね。私は憧れちゃいます。
 このワインのように私も年々社会の中で熟成しながら、こだわりとプロ意識は人一倍強いけど、視野の広い医学のプロ、をこの1年で目指したいと思います。そうなると「良い医者」ではなく、「いい男」を目指さないといけないですね。

 ちょっと誕生日だから思索に耽ってしまいました。寒い日が続きます。お身体には気をつけて。ごきげんよう。

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